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「ピカッ!」

 

「ドゴォォオォォー……ン!」

 

 ……一体何が起きたんだ?私は、生きている。恐る恐る目を開ける。すると!

「見事……(まさか、『神光』を使うとは)」

 何と、片翼……いや半身を失った聖獣が目の前に倒れていた!

「私は一体?」

 私は聖獣に駆け寄る!私は、ここまで傷付けるつもりは無かった!

「お前は……いや……貴方様は、これから先の天界を確実に担う者となるでしょう……これをお受け取り下さい」

 息も絶え絶えな聖獣の態度が急に変わった。一体何故?

「何故?急に私にそれを!?」

 私は聖獣に『治癒』の神術を使う!しかし!

「我……否、私の役目はこれで果たされました。これは貴方様が持つべき物……私がここで消えるのは、貴方様の所為では無く宿命……どうかお嘆きにならぬよう」

 言っている意味がわからない!まるで、初めからこの宝石は私の持ち物だったというような言い方だ!

「待ってくれ!死なないでくれ!」

 私は自然と涙が流れた。まるで、この聖獣とは昔からの知り合いだったかのような思いだった。

「……昔……神から頂いた私の名は……『リバレート・ホワイトフェザーズ』……貴方様は、いずれこの名を思い出すでしょう」

 

「(貴方様は……神の血を受け継ぐ者なのですから)」

 

 そう言って……白い聖獣は自らの意思で砂のように消えていった。『虹の輝水晶』を私に託して……

 

〜224年後〜

「それで、わたしの名前が『リバレス・シルバーフェザーズ』って名前になったのねー」

 私のベッドの枕元に座っているリバレスが感慨深く呟いた。

「あぁ、結局白い聖獣が私に伝えたかった事はまだわからないままだがな」

 あれから224年が過ぎたが、私には『リバレート・ホワイトフェザーズ』という名前を理解出来る事は無かった。だが、リバレスが今もこうして生きていられるのは聖獣のお陰だ……聖獣は、あの時……私とリバレスの為に……生きる事をやめたのだ。

「わたしは……ルナと聖獣さんにとても感謝してるわー。本当は、わたしの命が無くならなければならなかったのに……今もこうして、ルナと一緒に楽しく生きていられるから」

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