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 そこまで言った瞬間だった!

「愚かな!天使が『虹の輝水晶』を扱うなど!傲慢にも程がある!その宝石は、我が『神』より預かりし物である!」

 白い聖獣は叫びながら飛び上がった!そして、さらに強い光に包まれる!

「待って下さい!」

 このままでは、怒れる聖獣に殺されてしまう!その前に私はこんな形で戦いたくは無い!

「問答は無用だ、小僧!自分が正しいと言うのならば力で証明するがいい!……高等神術『光刃』!」

「パキキキキキキキィィー!」

 光の刃が私を取り囲む!何もしなければ……死ぬ!

「ゴォォオォォ!」

 私は刹那の瞬間に意識を集中し、体の周りを高等神術『滅炎』で覆っていた!

「やるではないか。そこまでの炎、その年で扱える者は他にはいまい……我の刃を掻き消すとはな。だが、どの道その程度ではお前はここで死ぬ。『虹の輝水晶』は、いずれ『神』にお返しすべき物……それを、天使に渡す事は出来ぬ!」

 聖獣は耳が張り避けそうな甲高い声を上げた……『神』?私はそんな存在など信じてはいないが……だが、このままでは無事に帰る事も出来ない。私は、仕方なく戦う覚悟をした!

「貴方が私を殺すというのならば、私は戦う!もし……私が勝てば、『虹の輝水晶』は頂きますよ!」

 私は、今まで実戦で戦った事はない。全ては授業での『戦闘実技』のみ……だが、聖獣の力は恐らく私の全力を上回る。私は、授業で一度も本気を出した事が無い。だからこそ、私は全力の力を解放して戦う!戦う理由は、悲しく生まれた。私と似ている境遇の子供を救う為……そして、何もしなければ殺されるという不条理は一つの生命として許せないからだ。

「天使にしてはよい心意気だ……だが、それは決して叶わぬ!受けるがよい……究極という名の炎を!」

 

「……究極神術『火光』!」

 

 何と言う絶大な力!聖獣の嘴に集る光と炎の力は!神官ハーツの『魂砕断』に匹敵……いや上回る!

「ゴゴゴゴゴゴゴゴォォ!」

 地面が振動する!空が赤く……そして白く染まる!私は精神を集中し叫んだ!

「うぉぉ!」

 何も考えられない!私は、ただ無我夢中で精神力を神術のエネルギーに変換した!

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