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 何故知っている!?まさか、神は全てを知っている!?

「何故それを!?」

 私は驚き叫んだ!神の口調からは知っているとしか思えない!

「我が知らぬ事は何も無い。我は、この空間にいて全てを見る事が出来るのだ」

 神は相変わらず表情すら変えずにそう言った!

「それなら!貴方は人間達をよく知っている筈でしょう!?なのに、何故滅ぼすのです!?」

 私は叫んだ!神は、人間達の懸命な姿を見て何も思わないというのか!?

「我は……神としての責務を遂行するのみ。そこに感情など必要ではない」

 神はそう断言した!私は、そんな神の姿に憤りを感じ……剣を握り締め向かっていく!

「これが……星を司る力だ」

 神がそう呟いた瞬間!突然閃光が私達を襲う!

「カッ!」

 何という高速な発動!防ぎきれない!

「うわぁぁ!」

「キャァァ!」

 私達は衝撃に思わず叫びを上げた!一体!?

「これが……本来の高等神術『光刃』だ」

 神がそう言っているのが聞こえた。私は自分の傷を確かめる!

「ポタッ……ポタッ」

 刃によって……体中が切り刻まれている!命に関わる程の傷では無いが……出血が多い!それより!

「シェルフィア、リバレス!」

 二人は……何とか無事だ!私よりも距離が離れていた分、ギリギリでシェルフィアが『暗幕』を発動させたようだ……だが!?

「とんでもない威力ですね。私の魔術で防ぎきれるレベルじゃない」

 暗幕は損傷していて……シェルフィアは腕が抉れる程の切り傷を負っていた!

「シェルフィア!」

 私はすぐさま彼女の下に飛んで行く!勿論治療の為だ!

「治癒!」

 私は全力で治癒を施す!リバレスも出血が激しい!私は、自分自身を含めて全員の治癒の為に精神力を注ぎこむ!

「戦いの最中に……我に背を向けるなど、愚かであると知るがいい」

 治療に専念した瞬間、神は私の背後にいた!

「邪魔するな!」

 私は振り返りざまに剣を振りぬいた!その剣は……何故かとてつもなく重い一撃を放つ!

「グッ!」

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