前ページ

「私の道はルナさんと共に!幸せを創り……理不尽な悲しみを無くす為に!」

「私は生まれた時からルナに育てられた天翼獣……凄く感謝してる。だからこの命尽きるまで戦うわー!」

 二人の叫びが神に届く!神は椅子からゆっくりと立ち上がった!すると……この空間が激しく揺れ始める!

 神の座る椅子……あれは、天界の維持の為のエネルギーを注ぐ道具!あれから立ち上がる事は神が力を束縛されないという事!空間の揺れと共にさっきまでの晴天の景色が消え……嵐に変わった!大雨と雷光と強風が吹き荒れる!

「……我は……絶対神……シェドロットとして……ルナリート、お前の道を砕かねばならない!そして、父として全力でお前を倒す!来るがいい……怒り……悲しみ……苦しみ……喜び……憎しみ……慈しみ……愛……信念……お前達の全てを懸けて!」

 神は本気だ!今の私の数十倍!かけ離れた力……でも、今戦わずにいつ戦うというんだ!?

「……シェルフィア、リバレス、行くぞ!」

 私が恐れを打ち消して叫ぶ!

「はいっ!」

「行くわよー!」

 二人にも迷いは無い!……未来を賭けた最後の戦いが始まる!

「禁断神術……『滅』!」

 私は息をつかせる間も無く『滅』を放つ!ありったけの力を込めた滅だ!嵐が無の空間に飲まれる!

「なかなかの力だ」

 神は『滅』を避けようともしない!?数百mに及ぶであろう最大規模の『滅』だというのに!

「シュゥゥ!」

『滅』が神に直撃する!跡形も無く消える筈だが!?

「無駄だ。我の体にはどんな神術も届かぬ!」

 神の体が……光膜……いや、『滅』そのもので覆われている!これではどんな神術も掻き消される!だが!

「禁じられし魔術……『闇』!」

「連続……『滅炎』!」

 一瞬でシェルフィアの魔術とリバレスの炎が炸裂する!

「ドゴォォー……ン!」

 神は激しい爆炎に包まれる!しかし!神の体には傷一つ無い!

「……まさか人間の娘が心を消さずに転生した上に魔術を使うとはな。流石はエファロードが愛する女だな」

次ページ