前ページ

 何と、神を弾き飛ばしたのだ!『滅』の守りすら破って!

「二人とも、もう大丈夫だ!神の力は強大だ……私にしか相手は出来ないだろう。少し離れていてくれないか?」

 私は治癒が終わってそう言った。私は、神を相手にしながら二人を守りきる自信が無い!

「いやですよ!私はあなたと共に戦います!」

 シェルフィアが潤んだ目で叫ぶ!その思いを止める事は出来ないようだ……

「わたしもよー!シェルフィアー……『あれ』で行きましょー!」

 リバレスもまた同じ……だが、『あれ』とは?

「『翼』に変化よ!わたしがシェルフィアの翼になる!」

 リバレスは叫び、シェルフィアの背中に乗った!そして、純白の翼に変化する!

「これで足手纏いにはなりません!行きましょう!」

 シェルフィアが私の目に訴えかけた。そうだ……私が皆を信じずにどうする?

「ああ、行こう!」

 私とシェルフィアは飛び立つ!だが……神は、次の攻撃態勢に入っていた!

「我に手傷を負わせるとはな……ならばこちらも力を出そうではないか」

 神が神術を発動させるために必要な時間は十分の一秒足らずだ!だが、私には次の手が読めた!

「シェルフィア!『滅』が来る!回避だ!」

 私は叫んだ!その瞬間、途方も無い規模の『滅』が発動した!

「上へ!」

 私とシェルフィアは出来る限り空高くに飛び上がった!見下ろすと……眼下の景色が『滅』に飲み込まれていった!

「ザァァ」

 雨の音だけが聞こえる。神の姿は……無い!?

「ここだ」

 背後で声が!?

「ガキィィー……ン!」

 殺気を感じたので剣を後ろに振り抜く!……だが何か固いものに激突した!

「何だ、その剣は……先程のは奇跡だったのか?」

 神は……素手で私の神剣を防いでいたのだ!確かに……今の一撃はさっきよりも遥かに軽いものだった!

「くっ!私は貴方には負けない!」

 私は剣に力を込めた!微動だにしない神に激しい刃の雨を浴びせた!

「キキキキキキキィィン!」

「カキィィーン!」

次ページ