前ページ

 シェルフィアが飛び起きる。どうやら自分でどれだけ眠っていたのかもわからないらしい。

「心配いらないよ。そんなに時間は経っていないから」

 私は優しく微笑んだ。それで二人とも安心したようだ。

「うーん……そろそろ行かなくちゃねー!」

 リバレスも元気そうだ。次は恐らく神の待つフロア……

「この石版を読めば……戦いが始まり……後戻りは出来ないかもしれない。二人はここで休んでいてもいい……どうする?」

 私は念の為二人にそう訊いた。答は解っていたのだが……

「行きましょう!あなたと共に何処までも!」

「私もルナと最後まで一緒よー!」

 訊いた私が馬鹿だったな。私は石版に近付く……

「ありがとう……シェルフィア、リバレス。私がここまでやってこれたのは二人のお陰だよ。この先に何が待っているかはわからない。でも私は二人を誇りに思う。これからも宜しく頼めるかな?」

 私は少し目が潤んだ。命を懸けてついてきてくれる二人に深く心を揺り動かされたからだ。

「私は一度死んでもあなたの下に帰ってきたんです。ずっと一緒にいる為に!だから、未来の為に戦いましょう!」

 シェルフィアは私の手を握り締めてそう言った。曇り一つ無い強い決意の瞳……

「あぁ!幸せな未来の為にな!ありがとう……シェルフィア!」

 私も彼女の手を握り返す。すると、シェルフィアは何よりも嬉しそうな顔をした。そして、リバレスが話し出す。

「ルナは私の親同然よー……例え……この戦いで私がどうなっても……ずっと一緒だからねー!」

 優しい微笑みの中に何処か悲しみが見えた。一体リバレスは何を考えて!?

「リバレス!お前は!?」

 私がそこまで言いかけた時!

「何でもないわよー!……早く石版を読みましょー!」

 確かにリバレスの小さな瞳から涙が流れていた。一体何を隠しているんだろう?だが、彼女が石版に向かった以上私は訊けなかった。

 

『……『エファロード』の最終段階は……『神の継承』……それは、『ロード』と『サタン』の立会いにより行われる。全ての『生命』は……この先で始まり……そして終わる。それだけが……果て無き歴史を紡いで行く……定められし歴史の運命は誰にも逃れる事は出来ない。例え……『神』であろうとも』

 

次ページ