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『……『ロード』、『サタン』の寿命は個人差があるが33万年以上であり……『死』の直前に『子』を残す……『子』は、『エファロード』、『エファサタン』の名を襲名する。『子』は『親』の記憶、力のほぼ全てを模写されて生まれる。『子』は序々に力を解放していく……その力の覚醒は……5段階存在する。最終段階に到達した時……全てが見える』

 

 そんな……私の力は更にもう1段階覚醒するというのか?そして、その時に全てが見える!?

 私は得体の知れない恐怖を覚えた。一体私の存在は何だと言うのだ!?

 そんな事をゆっくり考える間も無く、私達は更に上層へと転送された!

「眩しい!」

 このフロアは光だけで構成されている。真っ白で……自分の体すら見えない!

「ここは……私の出番ですね」

 シェルフィアの声が聞こえる。一体どうするつもりだ!?

「おい……まさか!」

 シェルフィアに力が集る。これは、魔術のエネルギー!?

「ルナさんっ!リバレスさん!力を貸してください!私一人では発動させられませんっ!」

 私とリバレスは、シェルフィアの手を握り……精神エネルギーを注ぎこんだ!

「……終わりの魔術……『闇海』!」

 シェルフィアの体が震える!これは獄王しか使えない魔術!いくらシェルフィアでも使えるはずがない!

「ドクンッ」

 私の心臓が大きく鳴り響く……その瞬間……私の精神エネルギーが大きく吸い取られる!

「キャァァー!」

 リバレスが叫ぶ!きっと私と同じように力を吸い取られたのだろう。彼女はその場に倒れた!

「シェルフィア!やめろ!君が死んでしまう!」

 私はエネルギーを送りながらも叫んだ!

「……ダメです!こうしないと先に進めないでしょう!?私を信じて下さい!」

 シェルフィアが叫ぶ!彼女の力が尽きかけたその時!

「ゴォォ!」

 小規模だが……確かに『闇海』が発動した!辺りの光が消えていく!

「シェルフィア!」

 今にも倒れようとするシェルフィアを、私はしっかりと抱き止めた!何て事を!

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