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 森が消えていく!すると、大理石の床と共に石版が現れた!この森は……幻影をループさせる事で大きく見せていたに過ぎなかったのだ。実際の規模は数百m四方しかない。

「流石ルナー!とんでもない力ねー!」

 私の神術の規模を見て、リバレスが驚き褒める。恐ろしいと言われないだけ有難い。

「さぁ、石版を読もうか」

 地面に降りたち私は石版に目を通した。この文字は……最古の文字だ。エファロード以外に読める者はいないだろう。

 

『……この星の名は『シェファ』……『ロード』と『サタン』によって統治される。『ロード』は、S.U.Nの光から……『サタン』は海の中にある闇物質からエネルギーを合成する。両者の合成するエネルギーは膨大で……『魂』や『ESG』などを作る事によって消費しなければならない。そうしなければ、『ロード』も『サタン』も過剰なエネルギー負荷に耐え切れずに存在が消える』

 

 この石版に書いてあった事は既に知っていた事だが、この先に書かれてある事は……何かとてつもない事のような気がした。

「あっ!」

 リバレスが異変を感じて叫んだ瞬間、私達は上層へと転送させられた!

「この空間もまた……凝った作りだな」

 一寸先も見えぬ程の闇……その中で、レッドムーンだけが地上を照らしていたのだ。

「本当に……何も見えないですね」

 シェルフィアの声が背後から聞こえる。その姿すらも見えない程の闇なのだ。

「ルナー、ここから先に進むには!?」

 肩に乗っているリバレスの姿も見えない。私は、先へ進む手段を考える。

「わからないが、とりあえず『光』を出そう」

 私は意識を集中し、空間に『神光』を放った!だが!?

「微かに明るくなっただけねー」

 本来ならば眩い光で何も見えなくなる程の光なのだが、ここではマッチ一本程度の明るさにしかならなかった。

「ここから先には……エファロードしか進めないとしたら……こうするしかないだろう!」

 私はシェルフィア、リバレスから距離を置き全ての力を解放した!

「……始まりの神術……『光』!」

 それが発動した瞬間!闇は消え去り、真っ白な空間の中に石版が現れた!

「あっ!また文字が書かれてますよ!」

 シェルフィアが嬉しそうに石版に駆け寄る。私もすぐに後を追った。

 

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