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「あんまり油断しない方が身の為よー!」

 リバレスが、高速で飛び回る!一体何を!?

「連続……『滅炎』!」

 何と、リバレスは四方八方から炎を放ったのだ!これでは、氷壁では防げない!

「うっ……うわぁぁ!」

 炎がノレッジに炸裂する!その瞬間、神術で出来た氷は消滅した!やったのか!?

「そっ……そんなー!」

 煙が晴れて現れたのは……無傷のノレッジ!究極神術の『光膜』で自身を守っていたのだ!

「今のは危なかったですよ。本気で行かないとダメみたいですね!」

 ノレッジは光膜で守られている。その強度は、私のものよりは遥かに劣るが……それでもリバレスの神術なら完全に弾くだろう。

「『拘束』!」

 リバレスがノレッジの動きを止める為に、『拘束』を放つが……光膜はそれを完全にかきけす!

「動きを止めたいのならば……これぐらいじゃないと!」

 ノレッジが杖に向かって意識を集中した。まさか!

「リバレス!逃げろ!」

 私の声に気付いて、リバレスが動こうとした瞬間!

「……究極神術……『不動』!」

 かつてジュディアが私を動けなくした神術!それをリバレスが解けるはずがない!

「キャァァー!」

 リバレスは『不動』に囚われ、床に落ちた……もはや私が出ていくしかないだろう。

「さぁ、終わりです。ルナリート君、早く来ないと大切なペットが死にますよ!」

 リバレスをペット呼ばわり……私は怒りが沸いてくるのを感じた!

「(ルナー、聞こえる?わたしはまだ大丈夫……だけど一つお願いがあるのー!)」

 そこで、リバレスの意識が転送されてきた!良かった、無事だったか!

「(ああ、何でも言ってくれ!)」

 その様子をノレッジに気付かれないように、私は剣を抜き睨みつけた。

「(『あれ』の術式を教えて欲しいのー)」

 まさか……『あれ』は負担がかかり過ぎる!本来、エファロードのみが使える神術だ!

「何をしているんです!?君が来ないのなら、『魂砕断』でこのペットの魂ごと砕きますよ!」

 時間が無い!私は躊躇した。だが、教えるしかない!

「(ruinだ!)」

 私は咄嗟に意識を転送する!

「(ありがとー!)……禁断神術『滅』!」

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