「……えっ!?何だ!?」
エファロードしか使えないはずの、『滅』が発動した!大きさは数十cm程度だが……光膜を消し去り、ノレッジの精神力を全て吸収した上に杖を破壊して『滅』は消えた!
「……そんな……馬鹿な」
精神力を失ったノレッジはその場に崩れるように倒れた!私はすぐさまリバレスに駆け寄る!
「リバレス!大丈夫か!?」
私は倒れているリバレスを広いあげた。すぐに、私の精神力を注ぎ込んだ!
「……あの神術……やっぱりルナみたいな力がないと使っちゃダメねー……体中の力が全部無くなっちゃったわー」
私が精神力を足しても、リバレスの疲労には追いつかない!リバレスは、意識を失った。
「リバレスさんっ!?大丈夫ですか!?」
シェルフィアが涙目でリバレスを揺さぶる。
「……大丈夫だ。命に別状は無い。教えた私が馬鹿だったんだ!」
私は自分のした事を悔やんだ。死に至る事はないが、いつ目覚めるかわからない。
「……くっ」
そこで、ノレッジが立ち上がった!しぶとい奴だ……
「お前の負けだ。それ以上、邪魔をするなら命の保障はしないぞ」
私はそう言って剣を向けた。脅しではない、リバレスを殺そうとしたんだ!
「……僕の負けなのはわかってますよ。でも、今は、妙にスッキリした気分です。僕が間違ってましたね。僕は君が羨ましくて……追いかけて……それでも届かずに……悔しかった。……君は尊敬していました。でも、段々それが憎しみに変わっていったんです。子供の頃から君と一緒で……劣等感を抱いていました。それで、君がいなくなって僕は優越感に浸りました。でも、僕は虚しかった。何故でしょうね……僕は今わかったんです。僕は……君に認めて欲しかったんだと。僕は最低です。セルファス君と君が夜中に競った時も……天界での裁判の時も僕は逃げ出してばかりだった。君達は……僕にとっての大切な大切な友達だったのに!」
そこでノレッジは泣き出した。初めて見る涙だ。この言葉に偽りはないだろう。私はそう感じた。
「ノレッジ」
私は思わず声をかける。しかし……
「優しい言葉はいりませんよ。僕にはそんな資格はありませんから……でも、一つだけお詫びをさせて下さい」