前ページ

 私を殺そうというのか?私は渋々剣を抜こうとする。が!

「ルナー!ノレッジの相手はわたしがするわー!ルナは疲れてるでしょー?休んでていいわよー!」

 私の前にリバレスが立つ!いくらなんでもそれは無茶だろう!?

「リバレス!お前には無茶だ!」

 私が叫ぶと、リバレスは強気に微笑んだ。

「大丈夫よー!友情を裏切った奴の相手なんてわたしで十分!いつも守られてばっかりだから、たまにはいいとこ見せるわよー!」

 確かに……リバレスは成長した。400年以上の付き合いだ……信じてみるか。

「わかった。無理そうなら言えよ!すぐに助けるからな!」

 私とシェルフィアはこうして、フロアの隅に移動した。

「馬鹿にするのも大概にして下さいよ!僕は『死の司官』!天翼獣如きが僕の相手をするなんてね!リバレス君、君を倒した後に人間界もろとも全員を滅ぼしてあげますよ!」

 ノレッジはそう言うと、かつて神官が使っていた豪壮な杖を掲げた!途端に、神術のエネルギーが漲る!

「人間界は滅びない!滅びるのはむしろ天界の方よー!」

 リバレスも力を解放した!私は、いつでも動けるように身構える。

「リバレスさん、大丈夫ですか?」

 シェルフィアがは、戦いが今にも始まろうとするのを心配そうに見つめる。

「少し心配だけど、信じてみよう」

 私がそう言った瞬間、戦いが始まった!

「高等神術……『拘束』!」

 戦闘開始早々に、ノレッジは『拘束』を放った!これにつかまれば、リバレスは終わりだ!

「いきなりそれは卑怯なんじゃないのー!?……同じく高等神術『光刃』!」

 拘束と光刃がぶつかる!

「パキィィン!」

 両者のエネルギーが空中で相殺した!

「天翼獣が高等神術を使うなんて聞いた事がありませんよ!まぁ、それでいい!僕の相手をするのですから!」

 二人とも肉弾戦には向かない。恐らく、神術のみの戦いとなるだろう!

「今度はこっちの番よ!『滅炎』!」

 私が得意とする炎の高等神術だ……直径数mの炎の渦がノレッジを襲う!

「くっ……『氷壁』!」

『氷壁』は高等神術『絶対零度』を守りに用いたものだ。互いに譲らない!

「ゴォォ!」

 炎が氷の壁にぶつかる!だが、氷はほとんど溶けない!

「ははは、その程度ですか!」

 氷の向こうでノレッジが笑っている。すると!

次ページ