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 俺は溢れるような力を感じていた。今なら、シェイドがフィーネとリバレスへ攻撃しようとしても確実に防げる!

「ルナさんっ!約束を破ってごめんなさい!私はどうしても心配で!」

 と、涙目で走って行きリバレスを抱えた!

「フィーネ!ありがとう!」

 塔の中へと逃げていくフィーネに俺は叫んだ。

「逃がすかわけにはいかん!」

 しかし、シェイドはフィーネを追おうとする!シェイドがフィーネへと動く!

「余所見してると命取りだぞ」

 俺は、俺から注意を逸らしたシェイドの右腕を切り飛ばした!今の俺はさっきまでの俺よりも遥かに強い力を使える!

「小癪な……第二段階でも貴様の生命力は2000000!我の方が上だ!」

 その言葉の直後、激しい攻防戦が始まった!シェイドも魔術で漆黒の剣を出す!

「俺にはフィーネがいる!だから戦えるんだ!」

 俺はシェイドの首を狙う!しかし、キーン!という音と共に防がれた!剣での戦いが数分続いた!

 お互いにスピード、力とも譲らず……紙一重で避けながら相手にかすり傷を追わせた!そして……

「愚かな……これでも喰らえ!究極魔術……『獄闇』!」

 その言葉の直後……暗黒の空間が現れた!それに飲み込まれた塔の一部は色を失い、暗黒に染まった!恐らく、全ての物質を暗黒の物質へ変える術だろう。これに対処するには、同等以上の力がいる!今の俺なら究極以上の神術も扱えるはずだ!

「究極神術……『神光』!」

 塔の周りが、数百mに渡って光の空間に包まれる!闇と光がぶつかりあう!

「ウグググ……エファロードが!」

 シェイドは、暗黒の空間に更にエネルギーを送り込む!

「数字で負けても……戦いは俺の勝ちだ!」

 シェイドが自分の魔術に集中した瞬間に、俺は瞬時に間合いを詰め……全力で肩から腹まで切り裂いた!

「何だとぉぉ!」

 何が起こったかわからないシェイドは驚愕の叫びを上げた!さっきの闇と光は空中で相殺し……砕けた。

 そして……胴体が真っ二つになったシェイドを見て俺は安心した。強過ぎる相手だった。

 

「勝った!」

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