「……ごめんなさい!ごめんなさい!うわぁぁ……ん!」

 ジュディアはシェルフィアの手を握り締め、母親に叱られた子供のようにワンワン泣いていた。こんなジュディアを見るのは初めてだ……

「わかってくれたらいいのよ。私はルナさんの所に戻ってくる事が出来たんだし……もう誰もあなたを責めないから」

 シェルフィアはジュディアを許した。何という慈悲深い心か……私はその心に身震いさえ覚え、自分がちっぽけな存在に思えた。ジュディアは己の過ちを悔いて……ずっとずっと泣き続けていた。かつて命を奪ったフィーネの生まれ変わりであるシェルフィアの下で……これから先、ジュディアはもう人間を見下したり他人を傷付けたりはしないだろう。自分がその痛みを知ったのだから……

 それにしても……

 そんな光景を私とリバレスは喜びの中で見ていたのだが、リバレスの一言が私に突き刺さる。

「ルナ、もしシェルフィア以外の女の子と仲良くしたら、命が危ないわねー」

 ぞっとするような言葉だった。そんな事は有り得ないが、シェルフィアを怒らせたらどうなるか……私は、この戦いで知ったからだ。恐らく……いや、間違いなく女の子ではこの星で最強の力を持っているだろう。しかも、未だ底は見えていない。

「シェルフィアを怒らせたら恐いな……もしかしたら私よりも」

 私がそう呟いた瞬間、シェルフィアが私の方を見て微笑んだ。聞こえてはいないだろうが、ドキッとした。

「……仲良くするのよー!」

 リバレスが真顔でそう言った。私は黙って頷く……

 それはさておき、天界への転送装置の使い方は私にはわからない。それをジュディアに聞くまで、私達はここで待つ……ジュディアは……まだシェルフィアに泣きついていた

 互いを知り認め合った者が友達だと私は言ったが……もしかしたら、あの二人は友達になれるのかもしれないな。

 私は、憎しみや悲しみの先にあったこんな結果に驚きながらも、素直に受け入れていた。

 私ももうジュディアを憎む気持ちは何処かに消え失せてしまったからだ。

 

 

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