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「……キュアが僕の事を一番理解しているよ」

 彼女は僕の事を想って泣いていた。この星で、こんな風に僕を想ってくれるのは彼女だけだ。

 

ルナリートは、自らが信じる道を生きている。僕は……

 

「フィアレス、『断罪の間』へ」

 その時、僕の部屋に父の声が響いた。僕は直感する。『時』が訪れたのだと。神と獄王は、生まれる時も死ぬ時も重なるようになっている。それは、生命の始まりから対称として生きてきた運命……いや、存在の証なのかもしれない。ルナリートは9年前に先代の神シェドロットから全ての力を受け継いだ。そして、今僕は動けない体のまま父に呼ばれた。

 

僕は……父に反対されてでも己の信じる道を行きたい。

それが、例え歴史と責務に反する事であったとしても……

 


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