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「それは滅鎧……それでこそ僕の対称となる存在だ。そして、今こそサタンとロード……どちらが正しいか証明する時だ!」

 俺の意識、フィアレスの意識にもロード、サタンとしての本能が駆け巡る!

 

長らく待ち侘びた戦いだ。俺(僕)を失望させるなよ!

 

「始まりの神術……『光(sunlight)』!」

「終わりの魔術……『闇海(darksea)』!」

 最初から手加減などしない!相手が本気の状態で、手加減などしたら瞬時に命を落とすからだ。

「キュイィィ!」

「ゴゴゴゴゴォォ!」

 物質の存在を許さない程の光熱が空を覆い、星を細かに振動させる!同時に闇の波動が海を変質させ、宇宙空間まで届く程の波となり俺の前に立ちはだかる!

ロードが勝つ!

サタンが勝つ!

 

 その瞬間!光と闇が衝突した!光は闇の海を貫き、消滅させる!そして、逆に闇の海は光を飲み込む!

「(相変わらず凄まじい闇エネルギーだな!)」

「(ふん、そっちこそなかなかやるね!)」

 そして!

「ガキィィーン!」

 激しく剣がぶつかる!俺達は光と闇海を発動させながら、同時に『転送』を行い剣を振るったのだ!

「考える事は同じだね!でも、そんな剣で僕に勝てるとでも思っているのか!?」

「キキキキンッ!」

 確かにフィアレスの言う通りだ!俺の剣は、オリハルコンの剣……魔剣相手では荷が重い!力を継承したロード、サタンが全力で振るう事が出来る剣は、神剣、魔剣だけなのだ!

 剣に力を集中する俺達は、光と闇海の発動を停止した。

「ゴォォ!」

 その瞬間、空を覆う光熱は消え……天に突き刺さるかのように盛り上がった海は力を失い、巨大な滝となってあるべき場所へ落ちていった!

「これでどうだ!」

「ギィィンッ!」

 フィアレスの渾身の力を乗せた剣が、俺の頭に振り下ろされる!俺は咄嗟に剣先と柄を両手で持ちそれを防いだ!

「クッ!」

 腕が痺れ、剣には再び亀裂が走った。このままでは、剣が折れてしまうだろう。だが神剣が無い今、俺はこの剣で戦うしかない!

「キンッ!」

「ガキンッ!」

「ブシュッ!」

 絶え間無く続く刃の応酬!

「キュイィィ!」

「ゴゴゴゴゴォォ!」

 瞬きすら許されない程、高速で強力な術の発動!剣と術での攻防で、空は割れて海は干上がっていく!俺達が戦っている空間はエネルギーの衝突で超高熱を発していた!そんな戦闘の中で、致命傷には至らないながらも傷は際限無く増加していく!

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