§番外編§

 

【愛する者の為に】

 

 あれは、全ての戦いが終わる少し前の事。ルナにもシェルフィアにも黙ってた、ごめんねー……

 そう、シェルフィアに『フィーネ』の記憶が戻ってルナと一緒に帰ってきた時から始まったの。二人ともとっても幸せそうだった。だって、200年前からずっと望んできた事だもんねー。わたしも心から嬉しかった。ルナは自分の命よりもシェルフィアを愛してるし、わたしもシェルフィアは大好きだから。それに、やっぱりルナはわたしにとって一番大切だから……ルナの幸せはわたしにとっても幸せな事になるの。

 

〜記憶を取り戻したシェルフィアとルナリート帰還後の作戦会議〜

「流石だな、ルナ。よく戻った!」

 ここはフィグリル城の屋上にある会議場。冷たく透き通るような空気と満天の星空の中で、わたし達は今後の作戦について話し合うことになっていた。でも、その前に……

「お帰りー!フィーネ、シェルフィア!」

 わたしはそう言いながら、二人の周りを飛び回った。本当に嬉しかったからねー!

「ありがとうございます!しかし、本当の意味での祝杯は、3ヶ月後を乗り越えてからにしましょう」

 シェルフィアと一緒に帰ってきたルナは何よりも嬉しそうだったけど、3ヶ月後には『人間界』は滅ぼされてしまうかもしれない。だから、ルナの表情は険しかった。わたしだって、ルナや人間達の幸せを破壊する事なんて絶対に許せない!初めは人間の事なんて嫌いだったけど、フィーネに出会ってから考えが変わったもんねー……

 その後、今後についての具体的な計画が決まっていった。ルナとシェルフィアは、人間界の戦乱を終わらせる為にリウォル王国に行く事になったけど、わたしはどうすれば?それに、どうしてルナと離されるのだろう?

「あのー……わたしはどうすればいいんでしょうか?」

 わたしは首を傾げながらハルメスさんに聞いてみた。

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