「……国王として……あなたの言った事を信じよう……だが、明日から3日間……時間をくれないか?あなたの言う通りにするのには、もっと時間がかかるが……4日目の朝に納得いく形で結論を出そう」
国王はそう言って立ち上がった。そして、私に握手を求めてくる。
「人間の王も、なかなか見上げた者じゃないか。宜しく頼むぞ」
そう言って私が手を差し伸べた頃には、周りの炎は消えていた。
「皆の者!この二人を最高級の待遇でもてなすのだ!」
その意外な結末に、兵は呆然としていたが、王の命令なのでせわしなく動き出した。
「わかってもらえましたね」
そこで、シェルフィアがニッコリ微笑んだ。
「それも、君の一言があったからだよ」
私も微笑み返す。とりあえず3日間、リウォルへの滞在が決まったが予定の1週間よりは早いから大丈夫だろう。
私達が案内されたのは、城内部にある来客用のスィートルームだ。ガラス張りの大きな窓、シルクのカーテン、そしてフカフカのベッド。何より、大理石のバスルームまでついていたのには驚いた。これなら、天界にも引けを取らないな……
〜戦士の休息〜
国王の対応を確認するまでの期間、私達はリウォルに滞在する。昨日は国王から最高級の料理を出されて、話をしながらそれを味わった。国王も兵も、皆私の話を信じた。夜も更け、私とシェルフィアはスィートルームで眠った。幸せな時を感じながら……
そして、今日……私は一人、シェルフィアが目覚める前にリウォルの街にいる。兄さんも言っていた事だが、私はやらねばならない事があるからだ。私は、リウォルを歩き回って店を探した。そこは……『リウォル宝飾店』。私は、そこに立ち寄り用事を済ませるとすぐに城に戻った。
そうだ……『今度この街に来る時は』昔言った事を思い出したからだ。いや、忘れてなんかいなかった。
「ルナさぁん!何処に行ってたんですか!?もう!」
私が戻ると、シェルフィアが怒っていた。もう勝手に外出するのはやめよう……
「ごめん、どうしてもやらなければならない事があったから」
私はシェルフィアの肩を抱き寄せて、優しくキスをした。しかし……
「また、あの隠し事ですか?」
シェルフィアの機嫌は直らない。そうだな、不信感を与えてしまったんだ。黙っておきたかったけど、少しだけなら話すしかない。
「隠し事なんかじゃないんだ。きっとシェルフィアが喜んでくれる事だと思う。明後日、全部説明するから怒らないでくれよ」