私は兄さんが言った言葉を信じて、そう言葉を作った。
「ルナリート!?まさか……伝説の!?はっ!」
指揮官と名乗る男が、私達の後ろにある噴水の中心に立つ銅像を見て言葉を失っていた。
「街長……よく似せて作ったな。しかし」
私もその銅像を見て驚いた。正に、200年前の私とフィーネそのもの……だが、フィーネの像が私の腕に抱きつくような形だったので恥ずかしかった。
「いや、そんな筈はない!伝説は200年も前の話……生きているはずがない!魔物の術で騙そうとしている!」
指揮官が剣を取り、私に切りかかる!
「やれやれ」
「パキィィン!」
指揮官の剣を私は素手で折る。すると!
「撃てぇぇぇぇ!」
指揮官が飛び退くと同時に、大砲が火を噴いた!このままでは、弾がシェルフィアの膜に直撃する!
「うぉぉ!」
私は瞬時にオリハルコンの剣を抜く!そして剣に過剰なまでの力を乗せる!
「キィィン!」
音は一つ……しかし、大砲の弾には50斬加えた!
「パラパラ」
大砲の弾は唯の金属片となり、その場に崩れ落ちた!
「うわぁぁ!」
その様子を見ていた兵達は一斉に逃げ出した。恐らく、この大砲が国の最強武器だったのだろう。
「俺はこの国を最後まで守り抜く……殺せ」
剣を失い、大砲すらも通じない私に指揮官はそう言った。命尽きるまで、国に尽くすとは立派な者だな。
「もう……ルナさん、無茶し過ぎですよぉ!」
光膜を解き、出てきたシェルフィアが私を叱る。確かに少しやり過ぎだったかな。
「ごめん、ごめん。ところで、指揮官さん。私がいつ、敵だと言ったんだ?」
私は指揮官の肩を叩いた。この男には罪はない。唯、自分の信じる事の為に戦っただけだ。
「は?まさか、あなたは本当にルナリート様?」
今度は話を聞く気になったらしい。どうすれば信じてもらえるものか?銅像でも信じないのならば……
「200年前にリウォルタワーを崩壊させたのは私だ。鉄神殿で祝宴を開かれた事もある。それでも信じないか?」
男は動揺していた。恐らく伝説通りなのだろう。それもその筈、私は本人なのだから。
「ならば……街長から『あるもの』を贈られたはず!これは、一般庶民は知らぬ事!」