「ルナさん、あの噴水広場はどうでしょう?あの……真ん中に銅像みたいな物がある。あそこなら警備が薄いですよ!」
シェルフィアが指差した。シェルフィアにもあんなに遠い景色が見えるのか……私は彼女の力に少し驚いた。
「そうだな、そうしよう。今から私達の周り半径3mを光の膜で包む。絶対に私から離れないようにな!」
私がその言葉を発すると同時に、シェルフィアは私の体にギュッとしがみつく。
「光膜!」
その瞬間、強力な光が私達を包んだ!この光は王国全てに見えている事だろう。
「私は絶対離れないので、もっとスピードを上げて下さい!」
シェルフィアが叫ぶ!私はその言葉を信じ、城下町の噴水広場へと降下を開始した!
「キィィ!」
放つ光が音を放つ!街の噴水まであと100mぐらいまで近付いた時だった!
「ドンドンドンッ!」
「ドゴォォー……ン!」
「ダンッ……ダダダダダダダダ!」
銃……爆薬……連射銃……あらゆる兵器が私達を襲う!
「ルナさぁーん!」
シェルフィアが心配そうに私の首に抱きついた。私は彼女の頭を優しく撫でた……
「大丈夫だよ。この程度の攻撃なら、この膜には傷一つつかないさ」
言葉通り、膜にはダメージすら無かった。5分以上にも渡る猛攻撃が続く……砂煙で周りは何も見えない。
やがて、攻撃が止み……砂煙が晴れると周りを数百人の兵に包囲されていた。その全員が銃を構える。
「厄介だな。でもこのまま、ここにいても仕方ないしな」
そう考えていると、兵の後ろから巨大な大砲が現れた。直径は1mぐらいあるだろうか?
「あんなのを受けて大丈夫ですか!?」
シェルフィアがまたも叫ぶ……
「大丈夫だけど、膜ごと私達は遠くに飛ばされてしまうかも?」
私はそう言うと、一人で光膜を出た。シェルフィアは膜に包まれたままだ。
「ルナさぁぁーん!?」
シェルフィアが心配そうに光膜をドンドン叩く……しかし、その程度で割れる膜じゃない。
「いい度胸だ……俺はリウォル王国直属軍総指揮官だ。お前は何者だ?」
大砲と共に現れた男……30代半ばだろうか?随分と威厳に溢れた人間だ。
「私は、ルナリート。お前達『人間』を救う為に再びこの地に現れた」