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「私は、ジュディアの性格を良く知っている。何故、人間界に来たのかはわからないが……私は、堕天する前にジュディアと約束した。『人間には毒されない』と……あいつを怒らせたらどうなるかわかるだろ?……それでも、絶対にフィーネは取り戻す!」

 私は身震いしたが、すぐさま意志を強く持った。話し合いで解決するとは思えない。だが、何をしてでもフィーネは返してもらう!

「わたしはルナの考えに従うから……行きましょー!」

 リバレスはやはり頼りになる。私は、リバレスの頭を撫でてこの階の記念碑を読んだ。

『……機構は……深……あ……エネル……を……必要……
る』

 しかし、この階の記念碑は解読が難しかった。もっと先を読まなくては!

 地下4階は『緑色』の輝水晶だった。地下1階から続く、輝水晶の色の変化……恐らく『虹』の並びと同じだろう。

『……エネルギ……源……は……である』

 少し理解した。この遺跡にある何らかの『機構』は『エネルギー源』を必要とするのだろう。

 私は、この遺跡の謎に興味が沸いたが……何よりも、フィーネの事が心配で気が狂いそうだった。

 そして、階段を飛ばして駆け下り、地下5階に到着した。案の定、『青色』の輝水晶……

『……起動……は……10000の……が……必要』

 私の頭に恐ろしい想像が巡ったが、それを無視してさらに歩を進める。ジュディアの力が近付いてくる気がした!

 地下6階は『藍色』の輝水晶だった。恐らくは、次が最後!

『……を……虹の祭壇へ……捧げ』

 この記念碑を読み……私は悟る。この遺跡は危険だ!何か大切な物を捧げなければならないのだ。

 私は、剣を抜き階段を慎重に歩いた。もしかしたら、次の階にジュディアがいる!

 しかし、予想とは裏腹に地下7階にも彼女の影は無かった。それどころか、それより下へ続く階段すら無い。

「ジュディア……いないわねー?」

 リバレスも不思議そうに周りを見渡す。私はどうする事も出来ずに、『紫色』の壇にある記念碑を読んだ。

『……魂……生け贄!?』

 私は思わず叫んだ!最悪の想像が真実に近付いた。フィーネの身が危ない!

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