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 長も、その話に乗ってきてしばらく話に収集がつかなくなったが、またリバレスの厳しい一言で屋敷を出て船着場へと向かって行った。

 

 時刻は、11時半。天気は晴天だ。海の香りと、潮騒が広がる船着場へと私達は到着した。空には、鳥が群れをなして飛んでいる。今日は、冬ながらも少し暖かかった。しかし、風が吹くと寒さが伝わってくる。きっと、フィーネ達人間はもっと寒さを感じているんだろう。そんな事を考えながら、私達が船に乗ると、数え切れない程の街の人々が見送りにやって来た。そこには、長の姿もある。

「さぁ、英雄もご乗船だし、お前ら出航だー!」

 やけに威勢のいい船長の船に乗り、私達はリウォルの街を離れていった。人々が、私達に向かって大きく手を振る。

 私とフィーネにとって、この街は沢山の思い出が詰まった街になった。また、人々もいい人間が多くて楽しい時間を過ごせた。そして、何よりこの街は活気に溢れている。この様子なら、街の傷跡もすぐに治る事だろう。

「ルナリートさん!この船は北東にあるフィグリルへの最短ルートを通らずに、南側から迂回して行きますんで宜しくっ!最短ルートでは、『死者の口』に近付くんで危ないんですよ!航行距離は、東に600km、北に400kmの合計1000km!明後日の夕方には到着予定なんでゆっくりお休みになって下さいよ!」

 航行距離が今までで一番長いな……それでも、今回は乗組員がいるので安心だが。今回の船は規模が大きく、他の乗客も100人ぐらい乗っている。全長は25m程の中型船で、私達は一等客室に案内された。明後日まで過ごすのには申し分無い程、豪華な作りだ。本棚もあれば、テーブルも椅子もある。勿論照明も完備されていた。しかし……たった一つ問題があった。何故か、ベッドが一つしかない。

「ベッドが一つしか無いな……枕は二つあるのに?」

 私は、その光景が異様に見えた。街長の手配ミスか何かだろうか?

「……ルナさんっ!これは、あの……結婚した二人が眠るダブルベッドですよ!」

 フィーネがそのベッドを見て、恥ずかしそうに目を伏せた。

「……街長……余計な気を回して!仕方ない、別の部屋を借りよう」

 流石に、このベッドは私達には早いと思った。一緒に眠るのは……全ての戦いが終わってからだ。私は、そう思う。

「ルナー!いいのー?せっかく、街の人が気を遣ってくれたんだから、別の部屋を借りるのは悪いんじゃないのー?」

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